第2回、[パソコン・ゲーム・ネット回想]DOS/VのDOSバージョンについて

2020/05/26

パソコン・ゲーム・ネット回想

(このブログは記憶を頼りにしており、内容に間違いがある可能性があります)

DOS/V」。この言葉、息が長かった。Windows 2000/XP以降は、DOSすら使ってないのに「DOS/Vパソコン」という言葉でパソコンを呼ぶことがあった
当時は、PC-98シリーズではなく、MacでもないパソコンをDOS/Vパソコンと呼んだりしていた。OSとしてのDOS/Vつかってないのに、DOS/Vパソコンと呼ぶのに抵抗がある人々(わたしも含めて)は、(IBM PC-)AT互換機(発音:えいてぃごかんき)など呼んだりしていた。当時(主に1990年代)、PC-98シリーズ以外で、DOS/VやWindows2000/XPを走らせていたパソコンは、紛れもなく、PC-AT互換機だったので、これは正確にブツを示していた言葉だった。

DOS/Vのバージョン

IBM PC-DOS/V、Microsoft MS-DOS/Vの2種類のDOS/Vが存在し、構成が微妙に違うので、覚えてる限りを記しておきます。

バージョン4.X

PC-DOS/Vのみが存在していた。英語圏で、すぐに、Version 5のPC-DOSがリリースされたので、日本語版のPC-DOS/V 4.Xはかなり短命だったはず。NECはPC-98シリーズ向けのDOS 4.Xをリリースしていなかったので、日本では特にマイナーバージョンとなった。蛇足だが、EPSONは、PC-98互換機で動くDOS4.Xをリリースしていたはず。DOS自体が大きくなっており、DOSが利用できるメモリ領域(コンベンショナルメモリと呼ばれた)をDOS自体が圧迫していて、Windowsを含む、大きめのアプリケーションは、空きメモリにロードしきれなかったこともあり、あまり利用されなかった。また、仮名漢字変換プログラム(Front End Processor、FEP、フェップと呼ばれた)もメモリに常駐するので、英語環境と比較すると極端に利用可能メモリが少なかった。

バージョン5.X

DOS/Vがブレークしたバージョン。DOS自体の強化が強力だったこと、また、同時期に、Windows 3.1がリリースされたことにより、パソコン自体の需要が増えたこともあって、結構な勢いで普及した。バージョン4で問題となっていたコンベンショナルメモリの圧迫を回避するために、i386CPU以上の仮想86モードをDOSでも活用して、UMB(Upper Memory Block)や、EMS(Extended Memory Specfication()というメモリ管理の仕様をフル活用できていた。そのためのデバイスドライバ(EMM386.EXE)も提供された。
擬似的にマルチタスクも実現し、複数のDOSアプリケーションを切り替えて利用することもできた(が、結構不安定だった気もする)。
そのほか、黒い画面でコマンド打たなくても使える様にするためのDOSSHELLや、一度入力した、コマンドの履歴をたどれるようなDOSKEYなど便利な機能も提供していた。

バージョン6.X

MS-DOSとPCーDOSでリリースされたバージョンが微妙にちがっていた気がする。MS-DOS/Vは6.2、PC-DOS/Vは6.1だったかな。(細かいバージョンは、wikipedia等で確認してください)。MS-DOS、PC-DOSともに、バージョン5の強化版で、利用メモリの最適化が最大の強化点だった。
バージョン5までは、デバイスドライバの読み込む順序を利用者側が手動で設定してメモリの最適化、実際には、必要なドライバを組み込む順序変更して、コンベンショナルメモリの空きを最大化していた。バージョン5が最新だった頃は、サードパーティのメモリ管理ツールがよく利用されていた。QEMMがもっとも人気のあるツールで、QEMMでは、ドライバを読み込む順序や設定などを自動的に最適化してくれた。バージョン6のDOS/Vでは、QEMMほど高機能ではないが、自動的にドライバ順序の最適化をするツール標準装備されていた。
もうひとつの大きな強化点は、V-Text(Hi-text)の対応だった。これは、かなり大きなトピックなので次回で記すが、V-Textによって、それまで、横80文字(全角文字だと40文字)x25行が標準だった文字表示が、それ以外の文字数・列表示が可能になった。

バージョン7.X

PC-DOS/Vのみリリースされた。個人的には利用していなかったので何がよかったのか不明。